カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ)は、ソブリンLLMの構成において、既存モデルをベースにした適応型モデルが56%と過半数を占めているという調査結果を含むH1 2026 Sovereign AI LLM Indexによる最新調査を発表致しました。

     

    カウンターポイントリサーチの最新調査H1 2026 Sovereign AI LLM Indexによると、ソブリンLLMの構成において、既存モデルをベースにした適応型モデルが56%と過半数を占めています。その中でもMetaのLlamaは、ソブリン向けに適応されたLLMのベースとして最も多く採用されている米国発のオープンソース基盤モデルで、38%と大きな割合を占めています。特にLlamaのLLMファミリーは、今回の調査対象となったすべての地域で最も多く採用されるベースモデルとなっています。

    多くの国では、基盤モデルと適応型LLMの両方を組み合わせて活用しており、これは各国におけるソブリンAI LLMの成熟度が異なることを反映しています。自国固有のデータを用いて基盤LLMを開発する段階へ移行することは、導入の難易度が高く、コストも大きいことを踏まえると、戦略上極めて重要なステップとなります。

    今回の調査結果に関して、カウンターポイントリサーチのリサーチディレクターMarc Einsteinは次の通り述べています。
    「ソブリンAIの本質は、コントロールと戦略的自律性にあります。ただし、コントロールはオンかオフかという二者択一ではなく、連続的なものです。ソブリンLLMのわずかに過半数は、海外のオープンソース基盤モデルをファインチューニングしたものであり、真の意味での自律性はいまだ例外的です。重要なのは、どの方向へ進んでいるかです。今回の調査では、自国固有のデータを用いてゼロから構築する基盤モデルへと明確に移行する動きが確認されています。」

    本分析の第1部および第2部では、本調査の概要を紹介すると共に、中東、中東欧、西欧、アジア太平洋(APAC、中国を除く)、中央アジア、アフリカ、北米(カナダ、米国を除く)、CALAにおける55か国以上のソブリンLLM推進国を対象に、170以上のモデルを評価しました。これにより、米国と中国以外の国々が、自国のLLM能力およびAIインフラの構築をめぐってどのように競争しているのかを分析しています。

    本シリーズのこれまでの記事は、カウンターポイントリサーチのウェブサイトにてご覧いただけます。第1部ではH1 2026 Sovereign AI LLM Indexランキング、第2部ではソブリンLLMを支えるAIチップインフラについて解説しています。

    調査全体をまとめたSovereign AI LLM Research Report: Mapping the Global Race to Build Domestic LLMsも公開しています。

    これまでの分析では、ソブリンLLMのモデルタイプ、学習・推論に使用されるAIチップインフラに加え、ソブリンLLMの所有、基盤モデルの構築、ローカル言語への対応力、アプリケーションといった観点からLLMの能力を評価しました。今回は同じ調査をもとにさらに分析を進め、適応型モデルがどのベースモデルファミリーを採用しているかを分析しています。

     

    図:カウンターポイントリサーチによる適応型ソブリンAI LLMのベースモデルファミリー別シェア

    出典:カウンターポイントリサーチ AI 360 Practice: Sovereign AI Research, July 2026

     

    Llamaに続いて、中国のQwenも、中東欧、アジア太平洋、アフリカで、各地域向けに適応されたモデルの主要な基盤として採用が広がっています。幅広い多言語対応と効率的なオープンモデルのアーキテクチャを活用することで、各地域の言語に合わせたカスタマイズに対応しています。

    西欧で開発された基盤モデルであるフランスのMistralも、有力な競合として存在感を高めています。G42などとの戦略的パートナーシップを通じて中東での足場を強化するとともに、西欧、中東欧、アジア太平洋でも採用が広がっています。

    アブダビがこうしたパートナーシップをどのように実際のAI導入につなげているかについては、昨年のGITEX Globalに合わせて収録されたCounterpoint Conversations: Abu Dhabi’s Digital Blueprint to Deploy Predictive, Proactive and Responsible AI at Scaleをご覧ください。

    各地域を俯瞰すると、適応型LLMではLlama、Qwen、Mistral、Gemma、NVIDIA Nemotron、DeepSeekなど、より幅広い基盤モデルが採用されるようになっています。これは、単一の基盤モデルへの全面的な依存を減らすため、採用するモデルを多様化する動きを反映しています。


    本記事に関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
    https://counterpointresearch.com/en/reports/sovereign-ai-llm-research-report-mapping-the-global-race-to-build-domestic-llms

    *本記事は2026年9月21日に発表された記事の日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
    https://counterpointresearch.com/en/insights/56-of-sovereign-ai-llms-are-adapted-models-with-metas-llama-the-dominant-base

     

    【カウンターポイントリサーチ概要】
    テクノロジーエコシステム全体にわたる製品を専門とするグローバル市場調査会社です。世界の主要なイノベーションハブ、製造クラスター、商業センターに拠点を構え、スマートフォンOEM、チップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業など、幅広いクライアント様にサービスを提供しています。経験豊富な専門家が率いる当社のアナリストチームは、経営幹部から戦略、アナリストリレーション(AR)、市場情報(MI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、製品・マーケティングの各分野のプロフェッショナルまで、企業全体のステークホルダーと連携し、市場データ、業界のソートリーダーシップ、コンサルティングといった幅広いサービスを提供しています。
    主な調査領域には、AI、自動車、コンシューマーエレクトロニクス、ディスプレイ、eSIM、IoT、位置情報プラットフォーム、マクロ経済、製造、ネットワークおよびインフラ、半導体、スマートフォン、ウェアラブルを含みます。カウンターポイントリサーチの注力領域、アナリスト、対話の機会等におかれましては、Insightsページより一般公開市場データやインサイトをご確認ください。
    公式ウェブサイト: https://counterpointresearch.com/jp


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